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遺留分請求の手続きと注意点|弁護士が詳しく解説

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遺留分の手続きと注意点|弁護士が詳しく解説

遺留分請求の手続きと注意点|弁護士が詳しく解説

2024/02/03

今回は、遺留分について解説します。遺留分は、遺産を分割する際、被相続人の配偶者、被相続人の子や孫など(直系卑属)、被相続人の両親など(直系尊属)が相続分を受け取れない場合に、ある意味での救済として設けられた制度です。本記事では、遺留分を請求する手続きやその注意点について、弁護士が詳しく解説します。遺留分に関する疑問をお持ちの方は、ぜひ見ていただければと思います。

目次

    遺留分とは何か?

    遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人、具体的には被相続人の配偶者、子供、父母に与えられる相続財産に対する権利です。被相続人が作成した遺言書で、遺言による贈与(遺贈)がなされて相続人の子が遺産を得られない場合でも、遺留分を主張することで自身の相続分をある程度確保できます。遺留分は、民法で定められた権利であるため、遺贈によって相当程度の遺産を得た者(受遺者)は、遺留分を主張された場合には、遺留分の範囲で遺産を分け与えることが必要です。

    遺留分を請求する手続きをどのように進めるか?

    遺留分を請求する方法としては、受遺者に対する示談交渉、または遺留分を請求する調停を家庭裁判所へ申し立てることの2個の方法が挙げられます。遺留分を請求する際、被相続人の遺産や遺言の内容を調査して把握することが必要です。

    弁護士は、相続に関する専門知識を用いて問題の解決を図る際に、戸籍謄本等の職務上請求、財産への調査照会(弁護士会照会)を行うことで、相続人の範囲や遺産の調査を進められます。また、遺言の解釈では専門知識は必須です。そこで、弁護士へまずは相談していただくことで、遺留分の請求を円滑に進めることができます。

    遺留分を請求する場合の注意点とは?

    遺留分を請求する場合の大事な注意点として、消滅時効が挙げられます。遺留分の請求は、「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間」までに行うことが必要です(民法第1048条)。この期間を過ぎた場合、受遺者から遺留分侵害額請求権に対する消滅時効を援用されることで、遺留分は消滅します。

    このように、遺産分割手続きと異なり、遺留分の請求には時間制限が明確に定められているので、早急な対応が必須なため、相続手続きに詳しい弁護士の支援を受けることが望ましいです。

    また、遺留分の請求では、遺留分権利者と受遺者の関係性が近いことが多く、請求自体に家族間の問題を起こすことも想定されます。そのため、ご自身のみで対応することは非常にストレスを感じる場合もあるので、経験豊富な弁護士に相談してその対応を委ねることは、ストレスを軽減させられる一つの方法です。

    遺留分の対象となる財産は何か?

    遺留分を請求する場合、まずは被相続人の財産(遺産)を特定することが必要です。先ほど述べたとおりですが、遺産の調査を行う場合には、被相続人と遺留分権利者(相続人)との関係性を証明する資料(戸籍謄本等)が必要であり、その取り寄せは弁護士が職務上請求を利用して行うことが可能です。

    また、遺産の調査では、委任状をいただくことで預金口座の取寄等を行える等、遺留分権利者であるご本人に代わって資料を取り寄せたり、弁護士会照会を行って資産の有無を確認することもできます。

    遺留分の請求の前提となる遺産調査については、その全貌を把握するかしないかによって、遺産から算出される遺留分の具体的な額が変わってくるので、弁護士による事前の遺産調査は必須です。

    遺留分が適用されない場合はどのようなケースがあるか?

    遺留分を主張できない場合とは、例えば遺言書で、被相続人が遺留分に配慮した相続分を指定していた場合や、相続人が兄弟姉妹しかいない場合が挙げられます。前者の場合には、遺留分を主張しても遺留分以上の金額を相続することはできないため、遺留分を主張する意味がありません。後者の場合には、兄弟姉妹には遺留分が認められていないため、遺留分の問題は起きません。

    このように、弁護士が遺留分の有無を適切に判断することもできますので、事前に遺留分に関する問題、遺留分を発生させない遺言の作成等でのアドバイスをお求めの場合には、弁護士への相談が有益です。

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